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棟梁を育てる その3

建築用語に「営繕」という言葉が存在します。語源は「造営」と「修繕」を纏めて指すもので、英語ではbuilding and repairsと訳されます。この数年で定着した言葉のなかに、「営繕」のうち「修繕」に含まれる「リフォーム」「リノベーション」というものがありますが、この違いを理解されている方は案外少ないようです。明確な基準は存在していませんが、建築業界においてリフォームは「改善・改良」という意味で、老朽化した建築物を新築の性能に戻すことを目的とし、リノベーションは「復・刷新」という意味で、おもに既存の建築物に改修を加え、価値を高めることを目的として使われています。簡単に言えば、キッチンや浴室などの設備交換や壁紙の張り替えはリフォーム、間取りの変更や配管の入れ替えの伴う設備交換などはリノベーションと考えていいと思います。

棟梁の重要な仕事の一つに「提案」があります。お客様の「お困り」「ご要望」「目的」を専門家の立場で伺い、その解決案を「提案」することです。その解決にはリフォーム、リノベーションのいずれが適しているものなのか?予算面や技術面はもちろん、お客様の生活環境も視野に入れてご提案すること、これも棟梁としての能力と私たちは考えています。